空いた両手がふさがらない

カフェインで目を醒まし、アルコールで眠る

2022年を振り返る

 今年もそろそろ暮れそうである。例年は良かった本や漫画や新譜などを振り返っていたが、今年はそこまで新しいものに触れられなかった。

 マネーフォワードでつけた家計簿を見返した。昨年比で+90万ほど支出が増えており、内訳は引越し費用や上昇分の家賃、外食が多くなった分の食費、ふるさと納税などで説明できそうな支出増があった。とはいえ今年度に入り大幅に収入も増え、収入の40%が貯蓄された。学資ローンの負債を加味しても純資産がようやくプラスとなり、家計の自己資本比率は18%となった。資産はほぼ現金預金:投資信託=5:5に分配している。想定内ではあるものの株安の影響で投資信託の運用収益率は年末時点でほぼ0%。今年は株安なのか円安なのかいまいちリバランスする時期が分かりにくかった。来年は自己資本比率30%かつ資産のリバランスを目指したい。

 iPhoneのようなガジェットを2年に1回くらい買い替える感覚で、唐突に高い服を買っている。いろいろな媒体で服のレビュー記事を読むのは好きだが、衣料品マニアというわけではないので好きなブランド以外との差異が分からないし、発信するほどの熱意はない。ただただ気に入った服を着て外に出るだけで楽しく貴重な外出の質が上がると思う。マイナーすぎて売っても値段がつかないくらい評価されないものだからこそ、本当に好きな服であったりバンドであったりする。価値判断の基準は他人ではなく自分のなかにある。

 the band apartのワンマンライブを観に行った。9th albumリリースツアーの初回を年度はじめに観ていたが、チケットが取れたのでまた観に行った。全国公演のちの最終公演で、渋谷のLINE CUBEというコンサート会場だった。9th albumは発売当初、音源で聴くとパッとしない曲が多い気がしていたが、ライブで聴くにつれ格好いい曲が多い新譜という印象にかわった。この日はアンコールで聴いた、定番のbeautiful vanityが特にいい演奏だった。

 浪費と正しい消費があるとすると、日々使う物や思い出(=経験や記憶)作りにはたくさんお金をかけるべきという考えになりつつある。なんとなく思い立って先週から毎日、ひとりで違うbarに行く贅沢をした。1件目は人に連れて行ってもらったことのあるモルトバーへ行き、ウイスキーをいい感じに選んでもらった。2件目はGoogleレビューに何も書いてなさすぎて気になったオーセンティックバーへ行き、サイドカーや終売のアブサンを飲んだ。3件目はヴィンテージのスピーカーとJAZZレコードを推しているバーへ行き、癖のある手つきでカクテルを作ってもらった。3杯までというマイルールでまったりした空間で静かにリラックスできた。

 平均寿命の1/3程度は過ぎている。いまくらいの活動量で休日を過ごせる期間は残り1/2もなく、真面目に人生設定する必要がある。働くことの意味は十分考えられるようになったから、次は楽しい生活の意味を考えたい。自分を客観視するほど難しいことはない。定期的に人と会う、思索を深める、遠くに行く。今年は仕事を悪い意味で頑張りすぎてしまったから、良い意味で手を抜ける必要がある。有給をとっても特に計画が立てられずぼんやり過ごすことが多かったので、計画的に有給をとり、宿と交通手段だけは手配しているような旅をしたい。思い出を作るための旅は浪費ではないことがこの頃になってようやく分かるようになった。

 忙しさにかまけて自炊の頻度が減っており、作り置きのような効率よい料理に挑戦したい。運動が苦手なら食事くらい気をつけねば。本を読む機会も減っていた。思索しないと思考が硬直するので、何でもいいから読んでいきたい。コンデジは承認欲求を充足するような綺麗な写真ではなく、記録用の写真を撮るために使いたい。後で見返すためのライフログであり、下手くそな写真でもいいからコンスタントに撮っておくべきだ。できれば新しい趣味をはじめたい。

 2022年もお疲れ様でした。皆さんよいお年を。

smoking everyday